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珍玩堂主人 国産玩車の曙~AHI編 その4 [AHI]

かのゴート札のごとく、世界の(玩車の)歴史を裏で操った・・・かどうかはさておき(爆)
とにかく全貌が掴めない、米AHIブランドで流通した国産小スケール玩車。

この度、インターポール・・・じゃなかった、尾羽様のご教授で、興味深い記事を拝見しました。
中島登御大の著作「国産ミニカー・マニュアル」に同じモデル群が掲載されていたのです。

68ページに掲載の短い記事を要約すると、製造元はバンダイで、ラインナップは約120種。
箱の裏にバンダイのシールが貼られ、1ダース入り紙箱にはLINEMARの商標との由。

LINEMAR(ラインマー)は日本製のブリキロボットなどを販売した米の玩具会社。
幻の国産初のミニカー、倉持商店のコレクトーイもLINEMARが販売しました。

さて・・・今回ご紹介するのは、③米欧車の数々。
テールフィンを生やした50sアメ車に交じって、シトロエンDSやVWビートルもいます。


裏板がボディと同色に塗装され、JAPAN、AHI BRAND TOYSと刻印されています。


裏板は黒で、JAPANとのみ刻印、または一切刻印なし。

硬質ゴムのタイヤや車軸は、両シリーズともに共通です。
機会があれば、両方ともダース箱で入手して、差異を確かめたいところですが・・・予算が(爆)

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国産ミニカー・マニュアル (グリーンアロー・グラフィティ)

国産ミニカー・マニュアル (グリーンアロー・グラフィティ)

  • 作者: 中島 登
  • 出版社/メーカー: グリーンアロー出版社
  • 発売日: 1998/04
  • メディア: 単行本

タグ:AHI

珍玩堂主人 国産玩車の曙~AHI編 その3 [AHI]

今宵は久々に、国産ミニカーの黒歴史、「AHI」ブランドのモデルをご紹介します。
以前、そのラインナップを、以下の5系統に大別してみました。

①クラシックカー
②50年代マッチボックスのコピー
③オリジナル型?の米欧車
④50年代テクノのスケールダウンコピーと思われるトラック
⑤50年代シュコー・ピッコロのコピー

②と③については、その1その2でそれぞれお話しましたが、
このほど①と④に該当するモデルを入手しました。

まずは①クラシックカー。
左から「「1903 Rambler」「1910 International Harvester」「1911 Buick Bug」

いずれもアンチモニー?のボディ&プラスチックのホイール。
さらに、Ramblerを除く2台は、フェンダーがブリキというマルチ・マテリアル・モデル(爆)

裏板はなく、ボディ内側にJAPANとのみ刻印されています。
②のMBコピーと同様、モデル名が書かれた紙箱入りで販売されました。

実は、このプラスチックのホイールが曲者で、壊れているモデルをよく見かけます。
経年劣化か、それとも最初から品質に問題があったのか・・・いずれにせよ時代を感じますね。

お次は④のトラック。キャブは共通、荷台部分の差し替えでバリエーションを増やしています。

左手前のは荷台の戦車が小さいのか、トラックが巨大なのか・・・。
また、右手前の積荷が木材でなく、竹ひごというところがジャパネスク(笑)

ホイールはプラ製。ブリキの裏板には、AHI BRAND TOYS、JAPANと刻印。
箱は③米欧車と同じプラスチック製。台座に針金で固定されていました。

デンマークのテクノの軍用トラック(左端)と並べて撮影。
キャブの形状が非常によく似ており、スケールダウンコピーと判断します。

追記 画像一枚目左の青いモデルは「1909 Stanley Steamer」ではなくて、
「1903 Rambler」でした(本文訂正済み)。FZIRO様、ご指摘ありがとうございました!

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タグ:テクノ AHI

珍玩堂主人 国産玩車の曙~AHI編 その2 [AHI]

謎の国産玩車AHI・・・今回はオリジナル金型と思われる米欧車シリーズを紹介します。

左からシボレー・ステーションワゴン、ボルボ・アマゾン、プリムス・タクシー。
サイズはどのモデルも5cm弱・・・スケールではなく箱の大きさで決めたようですね。

ボディは、その1でお話したマッチボックス・コピーと同様、ダイキャストかアンチモニーか
判然としない肉厚の金属です。ブリキの裏板が備わり、タイヤは硬質ゴム。

裏板には、ちゃんと「AHI BRANDTOYS JAPAN」と刻印されるようになりました。
しかし依然、生産した日本メーカーについての記載はありません。

興味深いのは右端のプリムス・タクシー。ノーマルも存在するのですが、
このタクシー仕様ではわざわざ型を変えて、側面に「TAXI」の文字を入れています。

仕事が丁寧なんだか、なんなんだか(笑)。いずれにせよ半世紀の歴史を持つ本邦玩車の、
源流のひとつになっているかもしれないモデルたちだと考えます。

ピラーに湯が回っていなかったり、塗装が弱かったりと、拙いところは多々あるものの、
グリルのモールドはなかなか緻密で、黎明期の熱意が感じられる・・・とは言いすぎでしょうか。

AHIがNYの会社であるためか、このシリーズでは50年代の米車が圧倒的多数ですが、
ボルボPV544など、そそられる欧州車のモデルも存在するようです。

生産メーカーや素材、総モデル数など謎だらけのAHI。
皆様からの情報提供をお待ちしております(他力本願寺)

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タグ:AHI

珍玩堂主人 国産玩車の曙~AHI編 その1 [AHI]

初の本格的国産ミニカーといえば、1959年発売のモデルペットというのが定説ですが、
中島登氏「日本のミニカー」では、56年発売のコレクトーイというブランドが紹介されています。

米ラインマー社からの注文で倉持商店が製造したとのこと。
主に輸出用だったため、日本のミニカーとしては正式に認められていないそうだけど・・・

実は小スケールミニカーの世界にも、同様の「黒歴史」が存在します。
それが、今回ご紹介するAHI(Azrak-Hamway Inc.)。

AHIとは、正確には日本の製造メーカー及びそのブランドの名称ではなく、米NYの玩具会社。
バットマンフリーク垂涎のアオシンのバットモービルも、ここにOEM供給されました。

AHIの小スケールミニカーは約70種類が発売され、以下の5系統に大別されます。
①クラシックカー
②50年代マッチボックスのコピー
オリジナル型?の米欧車
④50年代テクノのスケールダウンコピーと思われるトラック
⑤50年代シュコー・ピッコロのコピー

①④⑤は未入手ですので、2回連続で②と③についてお話させていただきますね。

左=マッチボックス(No.11-A。Road Tanker。55年発売)、右=AHI(Gasoline Truck)。

・・・・・・香港製じゃないですよ~。インド製でもなく、れっきとした日本製。
と言っても、本体にはブランド名はおろか、生産国すら記されていません。

箱には「AHI BRAND TOYS JAPAN」と記載。出来は・・・まあ、ご覧の通り(苦笑)
窓は開いておらず、型の抜けもかなりヌルい。タイヤはプラスチックです。

製造年を判断する資料は持っていませんが、50年代ごろと考えるのが順当かと。
ノスタルPC様のHPでは姉妹品と思われるダイムラー救急車が紹介されています。

この項を記すにあたり、ノスタルPC様ならびに山口のN様にご協力いただきました。多謝!

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