珍玩堂主人 マッチボックスの馬車編 その０ [マッチボックス]
マッチボックスを生んだレズニー社は1947年に創業。
最初は釣りに使うパン餌のプレス機や、数種類の大スケールの建機などを作っていました。
転機となったのは53年のエリザベス２世の戴冠式。同社は土産物需要を期待して
大小２種の８頭立ての式典用馬車を発売しましたが、これがバカ売れ。
大は32800個、小はなんと100万個以上が生産されました。このヒットが同社に
小スケール販売についてのヒントを与え、同年11月のマッチボックス誕生につながりました。
今回は、その戴冠式用馬車の小モデル（Small Coronation Coach）
全長は約11.5ｃｍ。馬車の色は画像のシルバーのほかに、ゴールドも存在します。
なぜ同じモデルを２台も撮影？・・・・・・実は左は同時期に発売されたベンブロスの馬車。
型は全く違いますが、ちょっと見ただけでは判別できないほど酷似しています。
馬車の扉のER（エリザベス女王）の刻印があるのがベンブロス、ないのがレズニー。
また馬をつなぐ棹に、レズニーは社名を記していますが、ベンブロスは英国製とのみ刻印。
ベンブロスは当時、レズニーに大きな戴冠式用馬車を牽く鉛の馬を供給していたので、
両社は小さな馬車でも何か協力関係にあったのかな・・・と想像してみたり。
後の話ですが、大人気となったマッチボックスの成功が、ハスキーやディンキーデュブロ、
ひいてはトミカやホットウィールといった小スケールの流れを生みました。
ある意味、この馬車が小さな玩車たちのご先祖様と言えるかもしれません・・・馬車だけど（笑）
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飾った時に見えるほうだけ人が騎乗しているんですね。
本物の馬車はバッキンガム宮殿に付属している博物館で見ることが出来ます。乗り心地は車輪にゴムを使っていなくて鉄ですが、バネの作用でやわらげられるような仕組みでよさそうです。
これがお土産で馬鹿売れというのも納得できるつくりですね。
馬の頭数が多いのが豪華さを印象付けますね。
by いっぷく (2006-07-28 06:43)
ブログを拝見する限り、実物を気軽に見に行ける場所にお住まいのようで・・・羨ましい限りです。そちらも猛暑と聞きますが、日本ほどの湿度はないでしょうから、まだ身体にも古玩車にも優しい環境ではないかと。
ご指摘の通り、騎手は片側の列にしか乗っていません。実車も４人だったのかな？また機会がありましたら、ご教授いただければ幸いです。
by ねこざかな (2006-07-29 07:01)
馬車と馬のつなぎ方（Harnessing）と、コントロールの仕方には、色々な方法がありまして、たぶんこれは、「Daumont Style」と呼ばれるものではないかと思います。ドライバーは、左側の馬に騎乗し、自分の乗っている馬と、隣りの馬の二頭をコントロールします。二頭分の手綱を持ち、ムチ（whip）を持ちます。
馬車側には、御者（Coachmen）がいますが、手綱は持っておらず、コントロールは4名のドライバーに任されます。右側の馬には騎乗しません。。
女王馬車のドライバーの所属は存じませんが、騎馬砲兵隊（Royal Horse Artillery）も、砲や弾薬リンバーを牽引する際に、同じようなドライビングをします。
馬車に一番近い馬の手綱を馬車に乗っているコーチマンが持ったり、あるいはコーチマンが馬車に乗らず、馬車に一番近い馬に騎乗する方法を、「German Harnessing」というようです。
確かコーギーで、シルバージューベリー（エリザベスⅡ世在位50年）のコーチがありましたね。
by ノスタルPC (2006-07-29 09:58)
馬車と馬のつなぎ方、詳しいご説明ありがとうございます！そういえば騎馬砲兵隊の手綱の取り回しについて調べていらっしゃいましたね。ノスタルＰＣ様のＨＰに、新たに「馬車の館」が登場する日を心待ちにしています（笑）
77年のシルバージュビリーの際には、コーギー、ディンキー、マッチボックスが特別モデルとしてシルバーのロンドンバスを出したほか、コーギーは４頭（実車は６頭）立て馬車の State Landou （GS41-B） も発売しました。
エリザベス２世とフィリップ殿下が乗る馬車に、女王の愛犬でもある「コーギー」が付き従うという、なかなか洒落たモデル。いつか箱つきで入手したいものです。2002年にも記念モデルが出たのかな？早速、調べなくては・・・
by ねこざかな (2006-07-30 17:44)