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珍玩堂主人 ヒルマンミンクス編 その1 [マッチボックス]

同好の皆さん、あけましておめでとうございます。
お互いに今年も、素敵な玩車や玩友との出会いがあることを願っています。

さて・・・年末年始に司馬遼太郎氏の随筆集「以下、無用のことながら」を読んでいると、
「答えない理由」と題した作品の中に、こんな一節が。

「”好きやねん”という言葉が流行っていたころ、見聞きするたびにぞっとしました。
ふつう、大のオトナが、女子中学生のようなことばをつかうでしょうか。(中略)
好き・きらい、という感覚語をできるだけ抑えて表現するのが、一人前の人間だと思うのです」

・・・・・・耳が痛い、痛い。年がら年中、(玩車について)好きだなんだと書いてる身にとっては。
思わず本に手を合わせて「ごめんなさい!」と謝りたくなりました(爆)

忸怩たる想いを胸に読み進むと司馬御大、こんなフォロー?も書いていらっしゃいました。

「ちょっと申しそえておきますが、一人前の知性にして、しかも”好き”ということがあります。
中世ではこの精神にわざわざ”数奇・数寄”というえたいの知れぬ文字をあて、
”身をほろぼすのも覚悟した精神の傾斜”ということで、讃美しました。(中略)
こんなのは、ときにすばらしく、ときに評価すべきだと思います」

・・・・・・身をほろぼす覚悟ですか・・・それはそれで悩みますね(苦笑)
猫は九つ命があると聞くけど、ねこざかなには、いくつ在庫があったかしらん。

「大のオトナ」への道も、「数寄者」への道も険しそうですが、
また~りと玩道を嗜んでいこうと思います・・・知らぬ間に葬られていたりして。

話が横道に逸れますが、モーニングに連載中の「へうげもの」が面白い。
茶の湯も玩車も、コレクターとゆー点ではなんら変わらないじゃないか、と思えてきます。

さて、ようやく玩車の話。新年ゆえマッチボックス愛好者としての初心に戻ってみました。

右=マッチボックス(No.43-A。1958年発売)
左=トミカ リミテッドビンテージ(LV-25b。2006年発売)

スケールはいずれも1/64。マッチボックスのver.違いは、色やホイールなどで6種類。
リミテッドビンテージにはマルーン/アイボリーの塗り分けのLV-25aも存在します。

ミンクスという車名は英ルーツ社が1932年から用いました。MBは56年発売のシリーズⅠ、
TLVのフロントグリルは58年発売のシリーズⅢのものではないかと思います。

いすゞは53年、ルーツ社の技術と部品供与を受けて、ヒルマンミンクスの組み立てを開始。
57年に純国産化を達成、日本の道路事情に合わせた改良を重ね64年まで生産しました。

マッチボックスとTLV・・・2つの玩車の間には半世紀近い時間がたっているわけですが、
甲乙つけがたいプロポーションやディティールに驚かされます。

50年代玩車の常として、MBは内装や窓がありませんが、精密感は損われていません。
実車と同時代、同程度の工作水準で作られたものだけが持つ存在感があります。

一方のタカラトミーの、LVシリーズの出来については皆さんご承知のとおり。
小スケールということを差し引かずとも、現行の旧車ミニカーとしては最上の部類に思えます。

「北宋」や六古窯だけでなく、近代や現代の作品にも、いいもの(by マ・クベ)は沢山ある、と。
今年は不惑を迎えるとゆーのに、物欲の誘惑は断ち切れそうにありません。。。

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へうげもの(1) (モーニングKC (1487))

へうげもの(1) (モーニングKC (1487))

  • 作者: 山田 芳裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/12/22
  • メディア: コミック


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コメント 11

覆面えるさん

「坂の上の雲」を今読み直すと、、、そうじゃないだろーって部分も多いですが、私も好きです、、

あっ、、別件、入札しときました~、、★⌒(@^-゜@)v ヨロシクデス
by 覆面えるさん (2007-01-04 21:29) 

ねこざかな

>> 覆面える様
「坂の上の雲」の乃木希典についての描写などは、
長州人にしてみれば、もの申したい点が多々あるようですね。。。

別件、いつもありがとうございます~♪こちらこそよろしくお願いします。
by ねこざかな (2007-01-05 00:25) 

aavecj

ヒルマンミンクス・・・いすずが手がけていたんですね~
初めて知りました、メモメモ。
しかしMBのノスタルジックカラー、古いものにしても良い色合いですね~!

>司馬遼太郎氏の随筆集~
まだ若いんでよくわからないですけど(うそ)

別件、出てきますね~、拝見させていただいておりますよ~

それではお互い良い年になりますように!
by aavecj (2007-01-05 08:42) 

ねこざかな

>> aavecj様
いすずのヒルマンミンクス以外にも、日野がルノー 4CV、日産がオースチンA40を、それぞれライセンス生産し、英仏の技術を習得しました。

MBのヒルマンには草色のモデルもあり、これも良い雰囲気ですが、やはり2トーンがお洒落。ミントを探すのに結構時間がかかりました(汗)

司馬遼太郎氏の「以下、無用のことながら」は色んな媒体に書いた随筆を集めた拾遺集のような本。一編一編が短くて読みやすいですよ~。
by ねこざかな (2007-01-05 11:19) 

せんとら

ヒルマンよりも、ベレルの方が昔に見えるのは何故だろう(謎
当時は、ライセンス生産と言うか、ノックダウン生産と言われてたようですが。確かに、ベレルはミンクスに(多少)似てるし、初代コンテッサは4CVに似てますね。オースチンは・・・似てる車、あったか?(笑
ベレル好きなんだけど、知名度が低すぎて・・どこかミニカーにしてくれないかな。いや、探せばあるのかもしれないんだけど(笑 ・・・全然、ヒルマンの話してないぞ(自爆
by せんとら (2007-01-05 21:47) 

ねこざかな

>> せんとら様
> ヒルマンよりも、ベレルの方が昔に見えるのは何故だろう(謎
・・・・・・それを言っちゃあ(笑)

ベレルは当時、ミクロペットとモデルペットが競作していたけど、今はどちらも高値の花(爆)。TLVかエブロ、ノレブでモデル化して欲しいものです。

それと先程、検索して知ったのだけど、日産はオースチンA50も生産していたのですね。A50はMBであるので、TLVが出たら並べられるな、と。
by ねこざかな (2007-01-05 23:28) 

桃色ジープ

ヒルマン・・・親父の最初の愛車でした(私が物心付いた時には既に無く、箱スカのRでしたが)。昔のアルバムを見るとヒルマンの横ではにかむ親父の姿がありました。追伸、せんとらさん、ベレルはミニカーは無いですがガレキなら出してるメーカーがありますよ。メーカー名は忘れたので探してみます(確か、3年位前のモデルカーズに試作品が載ってたハズ。)。
by 桃色ジープ (2007-01-09 13:11) 

むすたんぐ

ヒルマンは本当に美しい車でした。子供ながら当時ドキドキするくらい魅力的だった。話題になっているベレルは三角形のテ-ルランプが子供心を掴みましたね。それからエンジン音を真似してました。「だあ-」ってだみ声で唸るんです。このベレルの物まね、誰も理解してくれませんでしたけど。当時は子供でわからなかったけど珍しいジ-ゼルエンジンの音だったわけです。今でもエルフ トラックのエンジン音を聞くとベレルを思い出します。トミカからベレルでないかな・・・。ちなみに当時エンジン音物まねでトヨタS800&パブリカは「ごお-」って唸ってました。これ水冷エンジンの音だったわけです。これもだれにも理解されなかった。
by むすたんぐ (2007-01-10 02:25) 

むすたんぐ

すいません、トヨタS800&パブリカの件「空冷」の間違いです。新年からお恥ずかしい。
by むすたんぐ (2007-01-10 02:42) 

ねこざかな

>> 桃色ジープ様
箱スカR!お父上はかなりのエンスーでいらっしゃったようですね。
私の実家の最初の車は360ccの軽でした。フロンテだったかフェローだったか。。。いまの軽とは比べものになりませんが、よく走ってくれました。
by ねこざかな (2007-01-12 02:33) 

ねこざかな

>> むすたんぐ様
エンジン音の声帯模写!いかした小エンスーでいらっしゃったのですね!

スーパーカーブームのころにはエンジン音を収録したレコードなんて発売されたそうですが・・・今度、むすたんぐ様の吹き替え(笑)で、旧車エンジン音のCDをつくってみてはいかがでしょうか♪

> トミカからベレルでないかな・・・。
私も欲しい!日野ルノーや日産オースチンと、ずら~りと並べてみたいな。
by ねこざかな (2007-01-12 02:44) 

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